坂本誠の『超』作文術

またの名を

〜文章引き延ばし術〜


当時高校生だった弟の傘差し運転の反省文を代わりに書いたときのものです。
(決して本気にはしないように)

鉄則1 漢字よりひらがな・カタカナ
鉄則2 指示語、省略は使わない。指示語はあとに指示する内容を書き加える。
鉄則3 句読点はけちらない(使い過ぎてもよくないが……) 。
鉄則4 同じことをひたすら繰り返す(ただし表現は変えよう)。
鉄則5 常体ではなく敬体(です・ます調)を使う。


括弧内数字をクリックすると、注釈が表示されます。

 わたし(1)は、この間の5月24日朝のこと(2)、つい傘差し運転(3)をしてしまいました。この前も一回傘差し運転で(4)つかまったのに、また、もう一回(5)レインコート(6)を着るのがめんどう(7)くさくって、ついつい傘をさしたまま、自転車に乗って(8)学校に行ってしまいました。

「どうしてあんなこと(傘差し運転)(9)をしたのか」と、今でも反省しています。あのときの――傘差し運転をしたときの自分が(10)いまでも情けなくてしかたがありません。どうして、なぜ、(11)いけないと知りつつ、傘差し運転をしてしまったのか――それは、やはり、『めんどうくさい』とか『傘差し運転をした方が楽だ』という誘惑(12)に、自分が負けてしまったからだとおもいます(13)。つまり(14)、『めんどうくさい』、『傘差し運転をした方が楽だ』という誘惑に負けてしまうくらい、自分の心に『緩み』(15)があったのです。

 「傘差し運転はいけない」というのはだれでも(16)頭の中ではわかっていることだと思います。もちろん、当然(17)わたしも「傘差し運転はいけない」ということはわかっています。

 まず第一に言えることは、(18)傘差し運転をしていると、どうしても片手(右手もしくは左手)(19)は、主に傘をもつためだけに使われることになり、結局、片手運転と同じようなことになります。このように片手運転に近い状態(20)では、バランスを失いやすく、もし道路の上(21)で倒れてしまったら――また、もし倒れなかったとしてもふらつき運転になってしまったら、たいへん(22)危険です。

 つぎに(23)、第二に言えることは、傘差し運転をしていると、視界が傘によってさえぎられてしまうという危険性があるということです。自動車を運転するにしても同じことだろうとはおもいますが、自転車を運転するうえ(24)で、もっとも(25)大切なことは、『見ること』だとおもいます。その『見ること』がさまたげられるということは、交通安全のうえで、もっとも危険なことだとおもいます。

 このように、もう一度傘差し運転について考え直してみると、傘差し運転がいかに危ないことかがよく分かります。こんなに危険な傘差し運転を、ただ『めんどうくさいから』というだけでやってしまった自分が、つくづく情けなくなります。これからは傘差し運転はいっさいやめて、雨の日はちゃんとレインコートを着て登校し、これまでよりなおいっそう交通安全に気をつけ、交通ルールを守った自転車の運転をしたいと思います。